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地獄の沙汰も門次第

下之玉潔

 うなカンさん、遠いお国に行ってしまわれてるみたいなので、主人の居ぬ間に一席お笑いを。

 

 生涯『エロは無料で!』と頑張られた偉〜いお方とは違って、所謂世に言う普通のお方のお話ですな。

好人物・善人と言われる方でもよぉく叩けばホコリの一つや二つは出てくるもんで、これがエラ〜イお方ともなれば如何に表向き成人君主でも、裏では色々悪い事をしているってのが相場ですな。

普通の奴等にしても大悪行に手は染めていずともチョコチョコとした小技は数多く繰り出しているもの。

 

 今回の主人公は鵜奈木帰太郎、どちらかといえば大悪人では御座いません。

 

 こやつも善人では御座いますが、子細に見れば罪の1メガぐらいは本人も気付かぬうちに犯しておるわけでして…

死んで三途の川を渡った途端に地獄行きの送迎バスに乗せられて、連れてこられたのが閻魔様の待つ大審院。

何がなんだか判らぬうちに閻魔様の前に引き出され、生前の罪をあれやこれやとあげつらわれております。

 

・・・・

「被告は生前入院した折に、病人であるという立場を利用し、嫌がる看護婦の尻を触りまくり、あまつさえかのおなごの下履きをさえ所望したのであります。これは色欲法第二十八条三十六項の・・・」

・・・・

「また、被告は288テレホ部隊と申すか弱き者達に対し、到底全ては享受できぬような大量のエロ画像をこれ見よがしに提供し続け、かの者達に喜びを与えるような振りをしながらも落胆と諦念の・・・・」

・・・

と、延々とやられたのであります。

「俺ってそんなに悪人か?」と思う間もなく審判の時がやってまいりました。

 

「彼の者の生前の所業、大いに非道とは言えずとも許す事あたわじ。よって、三刑の選択を命ず!」

鬼に首を押さえつけられ、一緒に「ハハァ〜!」と返事を強要されて、引き立てられて行きました。

 

 両脇の鬼に抱えられて着いたのが先に3個所大きな開き戸のある大部屋。

鬼が申すに、この門の向こうが自分の行き先らしい。その選択はお前がしろとの由。

 

じゃあ仕方がないんで取りあえず中を見てから決めても良いか、それぐらいは良いよということで、中を見せてもらう事になりました。

 

 最初の門がギギギギギィ〜と開きますと、途端にむっとした熱気が吹き付けてきます。

そこは血の池地獄!

皮も爛れた罪人共がその者達の血とも思しき池の中で喘ぎまわっております。

『俺って熱いの嫌だからなぁ〜・・・こんなとこに居たんじゃ1日持つはずもないよねぇ・・・』

そんな気持ちを察したか、

「そんなに熱い事ないよ。死んだら熱さには結構みんな強くなるみたいだし・・」

と池の看守鬼も申します。

『嘘つけぇ!大体売り込みかけるときはそんな事を言うもんだ!誰が素直に信じるか!』

という腹を表に出さず、

「あのぉ〜、次のところを・・・」

「そぉお〜、うちなんか地獄で一番楽だって言われてるんだけどなぁ・・・」

という看守の声を聞きながら次の門へ・・・

 

 

ギギギギギギィ〜!

 門が開いて目に入ってまいりましたのはキラキラとした眩い金属の光沢。

良く見ると遥か向こう上の方に罪人共が体中から血を流しながらのた打ち回っております。

そこは話に聞いた針山地獄で御座います。

『うわぁ、痛そう!俺イタイのも苦手だし・・・』

「あのぉ〜、こんなんばっかしですかぁ?」

「当たり前だ、ここは地獄だぞ!」

「そんな事言っても、私イタイのはどうも・・・」

「そんなら次に行ってみるかぁ?」

 

 

「ここが最後だぞ!判ってるな?どれか選ばんといかんのだぞ!」

「・・・・」

ギギギギギギィ〜!

門が開くか開かずで押せ寄せてくるとんでもない臭気。

「クサァ〜〜!!何れすかぁここはぁ〜!」

門が開ききると中に見えるのは、それはそれは大きな所謂肥タゴ。

その脇の丈の高い椅子の上にまさにプールの監視員風の看守鬼が笛を首から下げて、煙草を吸っております。

囚人はというと、肥タゴに首まで浸かりながらも、これもプッカリプカプカと美味そうに煙草を吸っております。

『おぉ〜!ここは煙草が吸えるのかぁ、いいじゃない、いいじゃない。』

「チョット臭いけど人間鼻は馬鹿になり易いですから、ここなんか私向きかもしれませんね。」

「じゃ、ここにするか?」

「そうですねぇ、どうしてもと言うんだから、そんならここかな?」

「じゃ、ここにするぞ?」

「えぇ、まぁ、そういう事で宜しくお願いしましょうかね。」

「じゃ、ここだ!」

という訳で監視員鬼に引き渡され、コエタゴ地獄の門は閉じたのであります。

 

 監視員の指示でドップンと首まで浸かった鵜奈木帰太郎、

『クッサァ〜!』と思いながらも手は早々とポケットに。

やおら煙草を取り出して口に咥え、火を付けようとしたその矢先。

 

ピッピッピッピピィ〜〜!

 

とけたたましく響く笛の音に続いて、監視員鬼のドラ声。

 

「はいっ!休憩終わりぃ〜!」

「みんな潜ってぇ〜〜!」

 

玄関へ m(_ _)m 書斎へ

うなカンさん、済みません…

m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m