女郎と同心
下之玉潔
元禄文化華やかなりし頃のお話。
場所は吉原。
日もまだ高く、天気も上場。
こんな時間にはさしもの吉原も人通りは疎ら。
昨晩からまわしを取りっぱなしの売れっ子女郎ならこんな時間はまだ閨の中。
普通の女郎は早くから支度を整え、もう既に格子の向こうで顔見せをしております。
何も仕事熱心でそうしている訳じゃなく、稼ぎが悪いと遣り手婆に何やかやと五月蝿く言われるんで、仕方無しに早出しているという次第。
如何に人通りが少ないとはいえ、道行く男共に声を掛けるのも億劫という風情。
そんな風だから、ただぼぉ〜と座っているだけで退屈で仕方がない。
こんなにいい天気なのに、わっち達は遊びにも行けない。
何と不運な身の上だろうとボヤク事しきり。
誰始めるとも無しに裾を捲って広げた足を高々と格子に投げかけ、仰向けに寝そべり、はだけた胸元を団扇で扇ぎながら、
「あらまあ、あったかくて気持ちの良い事、皆もおしよ。」
かくしてオメコの日干しがずらっと並びました。
今のストリップでもこうした緊張感の無い無防備なオメコの勢揃いを見る事はなかなか叶いません。
たまに通る男達もちゃぁ〜んと覗くだけは覗いて行きますが、うっかり冷やかしでもしてこんなにの袂を引かれたんではと思うのか、声は潜めたまんまですな。
自然と振る舞いも猫背忍び足になります。
昼の日中っからこんなのが何人も通り過ぎれば、傍目にも何か異様さは伝わるもの。
そんな様子を目ざとく見つけたのが、ここいらを見廻る同心でございます。
差し迫ってはいないようだが何やら不審な事態。
何事なるやと格子の前までやってまいりました。
事態を目の当たりにした同心。
如何に色街とは言え、真っ昼間から無体な振る舞い、町の治安を預かる者として黙って通り過ぎる訳には参りません。
「こらぁ〜!女郎共ぉっ! 斯様に明るいうちから何を不埒なっ!」
「一体何をしておるっ? 事と次第によっては捨て置かぬぞっ!」
と居丈高に問い詰めました。
慌てたのは女郎達。
一斉に起き上がり、相手を見ては尚一層の慌て様。
裾を正して格子の向こうに平身低頭。
皆声を揃えて申しました。
「おめこぼしを〜!」「オメコ干しを〜!」
玄関へ m(_ _)m 書斎へ
どうか、お目溢しを…
m(_ _)m m(
_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m